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IMY知財ニュース 2024年8月 小学生が発明した特許

毎日暑い日が続きますが、お盆も過ぎ、もうすぐ夏休みも終わりそうですね。
今回は、夏休みにちなんで、小学生が発明し、登録された特許について紹介したいと思います。

 

発明がかわいらしく面白いのはもちろんですが、子供ならではの課題ですので、発明の内容だけではなく課題も紹介しています。

 

1.装飾具特許第7016202号
請求項1は以下の通りです。

 

【請求項1】
髪の毛を挟持して頭部の髪の毛に取り付けられる装飾具100であって、前記装飾具は、
髪挟持体110と、
装飾部材150と吊り下げ部材140とを備える装飾体130と、
を備え、
前記髪挟持体110は、
対の髪挟持部材112a,112bと、
前記吊り下げ部材140が取り付けられる複数の装飾体取付部115a~eと
を備え、
前記髪挟持体110は、前記対の髪挟持部材110が互いに結合されている第1端113と、前記対の髪挟持部材110が開放されている第2端114とを備え、
前記装飾体130は、前記複数の装飾体取付部115a~eのうちの1つを選択して取り付けられるように構成されている、装飾具。

簡単に要約すると、ヘアピンのような髪挟持体(110)にイヤリングのような飾りの装飾体(130)を取り付けるための取付部(115a~e)が複数設けられていることを特徴としています。

 

大人への憧れから、ピアスを付けたいけれど、子供はピアスの穴をあけることができないし、耳たぶを挟み込むタイプのイヤリングはあるけれど、痛みを伴うので付けにくいといった課題がありました。
そのため、体への負担が少ないながらも、かわいい耳飾りのようなものを作りたいという目的で発明されたものです。

 

髪飾りを耳の近くの髪に取り付ければ、イヤリングのように見えますし、
ピアスの穴をあけることができない子供ながらの課題で、かわいらしい発明だなと思います。

 

 

2.学習用定規及びプリント切断方法(特許第7447349号)
請求項1は以下の通りです 。

 

【請求項1】
止孔2及びくりぬき部2を有する定規2と、
止孔3及びくりぬき部3を有する定規3と、
止孔4及びくりぬき部4を有する定規4と、
止孔5を有する暗記用フィルム5と、
を備え、
前記止孔2、前記止孔3、前記止孔4及び前記止孔5を止め具で止め、
前記定規2、前記定規3、前記定規4及び前記暗記用フィルム5が、前記止め具を中心に1点で回動自在に軸支されている、
ことを特徴とする学習用定規。

簡単に要約すると、3つの孔(くりぬき部)の空いている定規2,3,4と暗記用のフィルム5とを止め具5を介して回転自在に一体化したことを特徴としています。

 

一般的な定規は、長さを測る、真っすぐ線を引くことを目的としていますが、この定規は、以下の目的があります。
・定規だけでなく暗記シートが一体化している(上左の図参照)
・ノートにプリントを貼るための枠を作ることができる(上真中の図参照)
・課題のマス目に対応した枠を作ることができる(上右の図参照)
・一直線にすると42cmになりランドセルに入らないが、折り畳めばランドセルに入る

 

定規と暗記シートを一体化するだけではなく、ノートにプリントを貼るとか、課題に合ったマス目を作るとか、大人では考え付かない実情に即した課題で、子供ならではの視点の発明だなと思います。

 

(M.M記)